The Japanese Journal of Antibiotics
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Ampicillin坐剤 (KS-R1) の基礎的・臨床的検討
西村 忠史田吹 和雄高島 俊夫
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1983 年 36 巻 7 号 p. 1863-1870

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抄録

近年新しい抗生物質とくにβ-Lactam系抗生物質の開発はめざましいものがある。さて抗生物質の投与経路は, 通常静注, 筋注, 経口投与がそれぞれ病態に応じて選択されてきた。しかし直腸投与に関しては, 他の投与経路での使用が困難な場合の必要性も考えられ, 従来抗生物質含有坐剤の検討も行われた。しかし吸収性又局所刺激性, 適確な使用上の問題点など多くの難点があり, 再現性ある実用化には至らなかった。しかし, 今度住友化学工業株式会社及び京都薬品工業株式会社では薬剤の易吸収性に着目し, 基礎となる易溶性の薬剤を用いて, Ampicillin (ABPC) 含有坐剤 (KS-R1) を開発した。そして本剤は基礎的実験成績からも, 臨床応用が可能な抗生物質含有の坐剤であることが明らかにされた1)。そこで著者らも, 本剤について, その基礎的及び臨床的検討を行つたので, その成績について述べる。

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