1983 年 36 巻 9 号 p. 2535-2548
近年, 種々のCephalosporin系抗生剤が開発され, 臨床に供せられているが, 経口投与可能な薬剤はCefadroxil, Cefaclorなど数種を数えるにすぎない。この中でCefroxadine (CXD) は殺菌力に優れ, 吸収に食事の影響を受けないことなどが特長とされている1~7)。
我々はすでにCXDの抗菌力及び血中濃度, 臍帯血, 羊水中移行などの基礎的検討と共に膀胱炎, 乳腺炎などを含めた産婦人科感染症に対する臨床的検討を行い, 本剤の産婦人科領域の有用性について報告した。
今回, 我々はCXDの子宮組織への移行性の検討並びに主として子宮内感染症を対象として臨床検討を行つたので以下報告する。