The Japanese Journal of Antibiotics
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産婦人科領域におけるCefroxadineの臨床的検討
内田 智林 博昭富永 衛高野 和章松永 雅雄工藤 誠二川村 良
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1983 年 36 巻 9 号 p. 2549-2555

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抄録

近年, Penicillin系, Cephalosporin系抗生物質を初めとして, 種々の抗生物質が開発されてきている。しかしながら, 経口投与されるCephalosporin系抗生物質は少なく, Cefroxadine (CXD) はこの中の1つである。この構造式をFig.1に示した。
本剤の抗菌スペクトラムはブドウ球菌属などのグラム陽性菌並びにインフルエンザ菌, 大腸菌, クレブシエラ属などのグラム陰性菌に対して幅広く, その抗菌力は他の経口Cephalosporin系抗生物質のCephalexin (CEX) やCePhradineよりやや優れ, 特に殺菌力が強く, 又吸収に食事の影響を受けず, 速やかに高い血中濃度が得られると言われている1)。CXDは各科領域でその有用性が認められ, 産婦人科領域においてもすでに種々の検討がなされている2~5)。
今回, 我々は主として内性器感染症を対象としてCXDの臨床的価値を検討し, 若干の知見を得たのでここに報告する。

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