1983 年 36 巻 9 号 p. 2556-2561
Cefroxadine (CXD) はスイスCiba-Geigy社において開発された経口用セファロスポリン系抗生物質である1)。CXDの化学構造はFig.1に示すとおりCepbalexin (CEX) に類似しており, 抗菌スペクトラムもCEXと同様にグラム陽性菌, 陰性菌に対して抗菌力を有する2, 3)。しかしながら, CXDの抗菌作用の特徴は殺菌力にあり, その殺菌及び溶菌作用がCEXと比較して強いと報告されている4)。
産婦人科領域における経口用セファロスポリンとしてはCEXが広く繁用されているが, 今回これに比べ, 上述の特徴を有するCXDの臨床的検討を行う機会を得たのでその成績について報告する。