The Japanese Journal of Antibiotics
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Micronomicin点滴静注の臨床的検討内科領域感染症について
池本 秀雄大越 正秋真下 啓明中川 圭一
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1984 年 37 巻 1 号 p. 111-121

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抄録

Micronomicin(MCR)は, 協和醗酵工業株式会社で発見されたアミノ配糖体系抗生物質であり, グラム陽性菌, グラム陰性菌に広範囲な抗菌スペクトルを示す1, 2)。
又, 本剤による第8脳神経障害, 腎障害の程度は動物実験レベルでGentamicin(GM)やDibekacin(DKB)に比べて弱いことが報告されている3, 4)。
近年, グラム陰性桿菌を中心とするOpportunistic infectionの増加に伴い, アミノ配糖体系抗生物質は重要な位置を占めるようになつている。一方, アミノ配糖体系抗生物質は, 第8脳神経障害, 腎障害などの副作用の面からその投与経路に制約があり, わが国では主に筋注投与で用いられていた。
しかしながら, 重症感染症で1日数回の投与が必要な患者, 小児科領域での大腿四頭筋障害や更に筋注による局所部位の筋組織障害, 疼痛などにより繰返し投与することが問題となつてきている現在, 副作用を勘案した経静脈的投与法の早期確立が望まれている。
今回, われわれは本剤の有効性と安全性を検討する目的で内科領域感染症を対象に, 点滴静注で臨床治験を行つたのでその成績について報告する。
なお, 本試験はTable 1に示す全国30施設において, 1982年17月から1983年6月にわたつて実施された。

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