The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
Print ISSN : 0368-2781
ISSN-L : 0368-2781
産婦人科領域におけるCeftazidimeの基礎的検討
伊藤 邦彦近藤 英明早崎 源基野田 克已
著者情報
ジャーナル フリー

1984 年 37 巻 1 号 p. 18-22

詳細
抄録

Ceftazidime (CAZ) はグラクソ社で開発された新しいCephem系の注射用抗生物質で, その構造は, Fi9. 1のとおりである。
本剤は, 各種細菌の産生するβ-Lactamaseに対して極めて安定で, Cephem系抗生物質の中でも抗菌スペクトルが広域であり, なかでもみPseudomonas aeruginosa, ブドウ糖非発酵のグラム陰性桿菌並びにSerratiaに対して強い抗菌力を示す。又, 各種細菌に対する本剤の抗菌力は, 他剤に比べ平均しており, 混合感染に対しても優れた防禦効果を示す1)。
われわれは, すでに各種のβ-Lactam系抗生物質の婦人性器内移行について検討を行つてきた2~5)。そして, それからの成績が産婦人科領域の各種感染症における薬剤投与量を決定するのに重要な指標の1つであると考えられる。
今回, われわれは, CAZについて検討する機会を得たので, 骨盤死腔浸出液への移行性を検討し, その成績を報告する。

著者関連情報
© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
前の記事 次の記事
feedback
Top