The Japanese Journal of Antibiotics
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臨床分離肺炎桿菌SMK-101株に対するセファピリンのMACに関する研究
吉田 耕作高橋 昌巳與那覇 朝英一幡 良利碓井 之雄
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1985 年 38 巻 1 号 p. 18-26

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抄録

化学療法剤の抗菌力効果は試験管内においてMICあるいはMBC値で比較検討されている。しかし生体に化学療法剤を投与した際, 感染病巣にMICあるいはMBC量に到達するには化学療法剤を極めて大量に投与するか, 長時間を要し, 多くは薬剤のMIC以下の濃度で細菌と接触する可能性がある。一方, 試験管内で細菌をMIC以下の濃度の化学療法剤に作用させても, 細菌の形態に変化が生ずることをGARDNER1), DIENES2), LoRIANら3)が記載している。
近年, 化学療法剤のMIC以下の濃度を用いた研究が各方面で行われているが, その多くは1/4MIC以上の高濃度であり4, 5), MAC測定法も異なる。著者らはMIC以下の濃度における細菌の形態的変化を再検討するため, 臨床材料から分離した肺炎桿菌を用い, セファピリンのMIC以下の濃度からMAC (Minimum antibiotic concentration) における該菌の生菌数の比較と形態変化とを観察し, 興味ある知見を得たので報告する。

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© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
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