The Japanese Journal of Antibiotics
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Ceftizoxime坐剤の小児における基礎的, 臨床的検討
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1985 年 38 巻 10 号 p. 2977-3012

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抄録

近年, β-Lactam系抗生物質の中でもCePhem系薬剤の開発はめざましく, 特にグラム陰性桿菌に優れた抗菌力を有する注射剤が次々と出現している。現在市販されているCeftizoxime (CZX) も同系統の藤井の分類による第5群の薬剤で, 従来Cephalosporin系と言われていた薬剤では抗菌力の弱かったHaemophilus influenzae, インドール陽性Profeus, Serratia sp., Enterobacter sp., Citrobacter sp. 及びBacleroides fragilisなどの嫌気性菌に対しても優れた抗菌力と殺菌作用を有している1-6)。
CZXの投与方法は現在のところ筋注と静注の2方法があるが, 小児では大腿四頭筋拘縮症のおそれがある筋注での投与は行い難い。そこでAmpicillinの坐剤化7-11) と同様に本剤でも投与方法が簡単で, 既存のCephem系経口剤に劣らない血清中濃度が得られ, 加えて筋注に匹敵するBioavailabilityを有する坐剤の研究が行われていたところ, 京都薬品工業株式会社研究所がその坐剤化に成功し, Ceftizoxime suppository (CZX-S) として藤沢薬品工業株式会社と共同開発を行うことになった。私たちは別稿12) に述べたとおり本剤を成人, 小児に投与し体内動態及び刺激性についての基礎的検討を実施し, 本坐剤が十分に臨床に役立つ成績を得た。そこで, 本剤を小児に投与し吸収の確実性と吸収で個人差がないことをみる目的で単回投与後に1回採血を行い, 血清中濃度を測定すると共に刺激性を観察, 更に, 種々の小児細菌感染症に対する臨床効果, 細菌学的効果, 副作用及び利点について検討したので, その成績を報告する。

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