The Japanese Journal of Antibiotics
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ヒト血中濃度にSimulateしたin vitro mmodelにおけるAspoxicillinの殺菌作用
香山 恵子松下 忠弘山口 東太郎
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1985 年 38 巻 7 号 p. 1819-1826

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抄録

一般に抗菌剤の殺菌力は最小殺菌濃度(MBC)の測定, 増殖曲線に及ぼす影響等の検討により評価されているが, これらの試験は一定の薬剤濃度で行われている。しかし, 生体内においては投与量及び投与法に応じて薬剤濃度は変化して行く。そこで, これまでにヒト血中濃度を功in vitroでSimulateするKinetic modelを用いて, MURAKAWAら1)はCefazolin(CEZ)の, 又, 山城ら2)はPiperacillin(PIPC)のダイナミックな系における殺菌作用の検討を行い, 最小発育阻止濃度(MIC)以上の濃度を維持する時間と殺菌作用の発現に相関性のあることを報告している。
今回, 私共はAspoxicillin(ASPC)の抗菌力はPIPCより若干劣るものの, その体内動態が優れていることから3), ヒト血中濃度の推移を考慮した条件下におけるASPCの殺菌作用に興味を持ち, MURAKAWAらの考案したin vitro model 1)を用いてEscherichia coli及びKlebsiella pneumoniaeに対する殺菌作用についてPIPCを対照薬剤として検討したので報告する。

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