The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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胸部外科領域におけるCefhlenoximeの組織内濃度の検討
特に肺・胸筋組織について
寺西 寧田崎 哲典阿部 幹本多 正久大石 明雄遠藤 幸男今野 修薄場 彰井上 仁庄司 光男元木 良一
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1986 年 39 巻 1 号 p. 127-132

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抄録

最近肺癌は急増傾向にあり, 手術適応も拡大され, 高齢者や, 糖尿病などの他疾患を合併し, 免疫能が低下している患者に対しても積極的に外科手術が施行される傾向にある。
当然のことながら, このような免疫能低下患老は創感染, 術後肺合併症などを引き起しやすい。従つて手術に際して局所的感染はもちろん術後肺感染を予防する目的で広範囲抗菌スペクトラムを有する抗生物質の投与が行われるが, はたして目的とする肺組織あるいは胸壁手術創で充分な濃度が得られているか否かの検討は少ないようである。
今回我々は, 広範囲抗菌スペクトラムを有するCefmenoxime (CMX) についてその肺組織及び胸筋組織への移行性を測定し, 本剤の感染に対する予防効果を検討したので報告する。

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