The Japanese Journal of Antibiotics
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Astromicin点滴静注の臨床第I相試験
中島 光好滝口 祥令井上 顕信小林 智
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1986 年 39 巻 6 号 p. 1453-1472

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抄録

Astromicin (ASTM, KW-1070) はFig. 1に示すような構造式を有するアミノ配糖体系抗生剤であり, グラム陽性球菌, グラム陰性桿菌に対し強い抗菌力を示し, Aminoglycoside 3-Nacetyltransferase-I [AAC (3)-I] 以外のアミノ配糖体系抗生剤を不活化する酵素のほとんどに安定であり, Gentamicin (GM), Dibekacin (DKB), Amikacin (AMK) などと交叉耐性を示す菌はない1~4)。腎毒性はAMKより弱く5, 6), 又, 聴器障害はアミノ配糖体系抗生剤の中で最も弱いことが知られている7)。
従来アミノ配糖体系抗生剤は筋注だけに用いられてきたが, 筋注は注射部位の硬結, 出血性素因のある患者における注射部位の皮下出血などの問題があつて, 点滴静注で使用される例も少なくなく, Tobramycin (TOB), DKB, AMKは点滴静注の適応が認められている。
今回, われわれは健康成人志願者を対象にASTM点滴静注時のヒトにおける安全性とその吸収, 排泄動態の検討を行つたので, 以下その成績を報告する。試験期間は昭和59年9月から10月である。

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