The Japanese Journal of Antibiotics
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産婦人科領域におけるImiPenem/Cilastatin sodiumの基礎的, 臨床的検討
林 保良中村 英世林 茂
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1986 年 39 巻 6 号 p. 1555-1564

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抄録

米国メルク社で開発されたImipenem (MK-0787) は新規のカルバペネム系抗生物質であり, 図1のような構造式を持つている。本剤はグラム陽性, グラム陰性の広範囲の菌種に対し強い抗菌力を示す。特にPseudomonas aeruginosa, Serratia, Enterobacter, Enterococcusなどの菌に対し強い抗菌力を有する1)。β-ラクタマーゼに対する高度の安定性2) と同時にβ-ラクタマーゼ阻害活性を有する優れた抗生物質である3)。
一方, 新たに開発されたMK-0787の腎内代謝に関与するRenal dipeptidaseに対して選択的阻害作用を有するcilastatin sodium (MK-0791) を本剤と併用することにより, MK-0787の尿中回収率を改善し, 更にMK-0787の腎毒性をも軽減できる事実が確認された4)。
MK-0787とMK-0791の合剤は国内外ですでに基礎的, 臨床的検討が多数行われ, 有効性及び安全性共に良好な結果を得ている5~7)。今回, MK-0787/MK-0791の婦人科領域における基礎的及び臨床的検討を行う機会を得たのでここに報告する。

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