1988 年 41 巻 8 号 p. 1008-1014
Cefuzonam (L-105, CZON) について, 婦人性器組織内, 骨盤死腔液中への移行性及び産婦人科領域感染症に対する臨床効果について検討した。
1. 婦人性器組織内濃度はやや低値であったが, 産婦人科感染症の主たる起炎菌であるEsckerichia coli, Klebsiella pneumoniaeに対する本剤のMICより, 充分臨床効果の期待できる移行性を示した。骨盤死腔液中へは比較的良好な移行性を示し, 30分~1時間後には20μg/mlを示した。
2. 臨床例では, 子宮溜膿腫3例, 産褥子宮内感染1例, 腟断端炎1例の計5例に投与し, 有効4例, 無効1例, 有効率80.0%であつた。副作用, 臨床検査値異常は認められなかつた。