The Japanese Journal of Antibiotics
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産婦人科領域におけるCefuzonamの基礎的, 臨床的検討
久保田 健二安日 一郎平井 雅直下村 恭子
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1988 年 41 巻 8 号 p. 1015-1029

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抄録

セファロスポリン系の注射用抗生物質であるCefuzonam (CZON, L-105) の婦人性器組織への移行及び産婦人科領域感染症に対する細菌学的及び臨床的検討を行った。
CZON 1g静注後の血清中及び性器組織内濃度の最高値は, それぞれ血清69.6μg/ml, 卵管63.1μg/g, 卵巣34.2μg/g, 子宮内膜22.5μg/g, 子宮体部筋層33.4μg/g, 子宮頸部30.7μg/g, 子宮腟部37.1μg/gが投与19~46分後に認められた。子宮感染症及び子宮付属器炎15例に対する臨床効果は著効4例, 有効11例と100%の有効率であつた。これらの患部から分離された好気性菌及び嫌気性菌21株中19株が本剤投与後消失した。副作用は認められなかった。
以上の基礎的, 臨床的検討からCZONは産婦人科領域感染症に極めて有用性の高い薬剤であると結論される。

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