The Japanese Journal of Antibiotics
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新生児期におけるAztreonamの基礎的検討
阿座上 志郎磯畑 栄一老川 忠雄小佐 野満城 裕之
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1990 年 43 巻 3 号 p. 405-412

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抄録

Aztreonam (AZT) の新生児期における基礎的検討を行い, 以下のような結論を得た。
1.AZT10mg/kgを投与した際の血中濃度は30分値が22.1~32.2μg/ml, 20mg/kgを投与した際には30分値が22.5~75.9μg/mlであった。10mg/kg及び20mg/kg投与群の間で明らかなDoseresponseが認められた。
2.半減期は日齢0~3日では3.5~6.6時間, 日齢4日以降では2.0~4.0時間であった。
3.尿中回収率は投与開始6時間までで17.8~69.9%であった。
4.AZT単独 (6例), 又はAmpicillinとの併用投与 (9例) で臨床的に副作用を認めた症例はなかった。1例で検査値異常として, AZT投与終了後に血小板増多を認めたが, 1週間以内に正常に復した。
5.AZTは好気性グラム陰性菌に強い抗菌作用を持ち, β-Lactamaseを誘導し難く, 今回の検討でも副作用が少なかったことから, 新生児期においてもグラム陰性菌による尿路感染症や重症感染症の際に有用と考えられる。

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