The Japanese Journal of Antibiotics
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PiperacillinとAmikacin併用時のin vitro抗菌力増強と臨床効果推定への臨床検査的アプローチ
植手 鉄男松尾 清光
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1990 年 43 巻 9 号 p. 1572-1578

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抄録

1.Piperacillin (PIPC) とAmikacin (AMK) を併用した場合の抗菌力における相互干渉を緑膿菌, 大腸菌に対する最小発育阻止濃度 (MIC) のFICindex及びディスク感受性阻止円直径から吟味した。
2.大腸菌に対する両薬剤の抗菌力の相互干渉は認あられなかったが, 緑膿菌の一部の菌株に対して, 両薬剤併用による相乗的抗菌力増強がFIcindexから認められた。緑膿菌に対する相乗的抗菌作用の増強はPIPCのMICが≥25μg/mlの菌株には認められなかったが, MIC≤12.5μg/mlの菌株については明白に認められた。従つてPIPC昭和ディスク感受性テスト (+++)(++) 域菌株に対して, PIPCとAMKの併用は相乗的臨床効果が得られることが推定し得る。
3.FIC indexからPIPCとAMKの相乗的抗菌力の増強がみられた緑膿菌株において, PIPC/AMKコンビネーション・ディスク (30μg/30μgあるいは30μg/15μg含有) の阻止円直径はいずれか単剤ディスクの阻止円直径より約3mm以上増大していた。しかし, FICindexより相乗的抗菌力増強のみられなかつた菌株のPIPC/AMKディスク阻止円直径はいずれか単剤のディスク阻止円直径より増大しなかったか, 増大の傾向があっても≤2mm であった。

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