The Japanese Journal of Antibiotics
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S6472 (セファクロル持続性製剤) の皮膚科領域感染症に対する臨床効果の検討
川浪 耐子柴田 明彦花輪 滋森嶋 隆文
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1990 年 43 巻 9 号 p. 1621-1628

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抄録

Cefaclorの持続性製剤であるS6472について, 皮膚科領域での臨床的検討を行つた。
対象は疾患群I (毛嚢炎, 膿庖性座瘡) 14例, 疾患群II (廊, 廊腫症, よう) 16例, その他疾患2例の合計32例で, S6472は1回375mg (1包), 又は750mg (2包) を1日2回食後経口投与した。
臨床効果は疾患群Iでは, 著効6例, 有効8例, やや有効0例, 無効0例で有効率100%, 疾患群IIでは, 著効10例, 有効5例, やや有効1例, 無効0例で有効率93.8%であった。細菌学的効果はStaphylococcus epidermidis の1例で減少, Staphylococcus aureus の1例で菌交代していたが, 残りの24例はすべて陰性化していた。副作用は1例も認められなかつた。
以上の結果から, S6472は1日2回投与で皮膚科領域感染症に対して有用性の高い薬剤と考えられた。

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