The Japanese Journal of Antibiotics
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小児期における経口抗生物質についての薬動力学的検討 (第3報)
小児期におけるCefprozilについての薬動力学的検討
中村 はるひ岩井 直一
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1992 年 45 巻 11 号 p. 1489-1504

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抄録

小児期におけるCefprozil (CFPZ, BMY-28100) についての吸収, 排泄を検討すると共に, 薬動力学的解析を加えた。
1. 食事の影響をみた学童6例の同一症例における75mg/kg食前30分及び食後30分服用後の検討では, 前者のTmaxは1.11±0.08時間, Cmaxは5.08±0.27μg/ml, T 1/2は0.77±0.09時間, 尿中回収率 (0~8時間) は55.2±4.7%で, 後者はそれぞれ1.31±0.04時間, 3.98±0.38μg/ml, 0.72±0.03時間, 46.3±9.0%であった。食前投与の方が明らかに早くTmaxが得られると共に, 高いCmaxを示し, 更に尿中回収率については若干高い傾向がみられた。
2. 用量依存性をみた学童6例の同一症例における75mg/kg及び15.0mg/kg食前30分服用後の検討では, 前者のCmaxは6.19±0.36μg/ml, AUCは14.90±1.02μg・hr/mlで, 後者ではそれぞれ12.38±1.29μg/ml, 2856±1.79μg・hr/mlであり, 両者には明らかなDose responseが認められた。又, 尿中回収率は各々82.1±6.4%, 51.1±7.1%であり, 理由ははつきりしないが, 7.5mg/kg投与においてかなり高い傾向がみられた。
3. 年齢による差異をみた学童17例, 幼児19例, 乳児5例における75mg/kg食前30分服用後の検討では, 学童, 幼児, 乳児のTmaxは各々1.07±0.09時間, 1.06±0.07時間, 1.40±0.09時間であり, 乳児では若干遅れる傾向がみられた。又, Cmaxについては各々5.62±0.38μg/ml, 4.72±053μg/ml, 4.05±0.33μg/mlで, 学童, 幼児, 乳児の順に高い傾向がみられた。更にT 1/2は学童, 幼児, 乳児で各々0.73±0.04時間, 0.78±0.09時間, 0.98±0.12時間で, 乳児において明らかに長い傾向がみられた。又, AUCは各年齢層とも似た値を示したが, 尿中回収率はそれぞれ64.1±4.3%, 44.3±3.8%, 51.6±3.3%で, 学童において若干高い傾向がみられた。

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