1992 年 45 巻 2 号 p. 181-187
新しいカルバペネム系抗生物質Panipenem/Betamipronの熱傷感染症に対する有効性及び安全性を検討し, 以下の成績を得た。
1. 熱傷感染症患者11例に本剤0.5g/0.5gを1日2回点滴静脈内投与した。臨床効果判定が可能であった10例の効果判定は「著効」2例, 「有効」2例, 「やや有効」6例で有効率40%であった。
2. 2例について熱傷組織への移行について検討した。Panipenemの組織内濃度は点滴静注終了直後で0.20μg/g, 60分後で6.86μg/gであった。
3. 安全性では, 臨床検査値の異常変動として, GOT, GPT, Al-Pの軽度上昇が1例に, GPT, NAG, β2MGの軽度上昇が1例に, GOT, GPT, Al-P, LAPの軽度L昇が1例にそれぞれ認められた。