The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
Print ISSN : 0368-2781
ISSN-L : 0368-2781
45 巻, 2 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
  • 澤江 義郎, 仁保 喜之, 原田 実根, 渋谷 恒文, 岡村 孝, 浅野 嘉延, 谷口 修一, 村川 昌弘, 豊嶋 崇徳, 小鶴 三男, 鵜 ...
    1992 年 45 巻 2 号 p. 123-135
    発行日: 1992/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1. 急性非リンパ性白血病34例, 急性リンパ性白血病12例, 慢性骨髄性白血病5例, 慢性骨髄性白血病の急性転化6例, 成人T細胞白血病・リンパ腫8例, 非ポジキンリンパ腫16例など, 造血器疾患96例に併発した感染症に対するImipenem/Cilastatin sodium (IPM/CS)の臨床的有効率は, 判定不能の9例を除くと60.9% (53例/87例) であった。
    2. 感染症別の主な有効率は敗血症56.3% (9例/16例), 敗血症疑い40.7% (11例/27例), 肺炎62.5% (15例/24例), 上気道炎7748% (7例/9例) であった。
    3. IPM/CSの1日投与量別の有効率は0.5g×2回が73.3% (11例/15例), 0.5g×4回が54.5% (6例/11例), 1g×2回が54.5% (24例/44例), 1g×3回が80.0% (4例/5例) であつた。
    4. 1日投与量別, 重症度別の有効率は, 重症群の0.5g×4回が60% (6例/10例), 1g×2回が375% (9例/24例), 1g×3回が75.096 (3例/4例)であった。
    5. 投与前後の好中球数別有効率は前後共に0~100/mm3の群が30.8% (4例/13例), 投与前が0~100/mm3で投与後が101~500/mm3の群が35.7% (5例/14例) であったが, 他の4例以上の群では70%以上の有効率を示した。
    6. 起炎菌は42例から55株が明らかにできたが, 消長不明の12株を除くと消失率は83.7% (36例/43例) であつた。主な分離菌の消失率はStaphylococcus aureus100% (4株/4株), Coagulase-negative staphylococci 83.3% (5株/6株), Enterococcus faecalis100% (3株/3株), Pseudomonas aeruginosa63.6% (7株/11株) 等であつた。
    7. 敗血症17症例についてみると, 基礎疾患 (造血器疾患), 1日投与量, 他抗生物質との併用, 投与前後の好中球数, 感染症の重症度から明らかに重症且つ難治性で, 分離菌は他の感染症より日和見感染菌が多かった。これらの悪条件にもかかわらず, 56.3%の有効率が得られた。
    8. 副作用は消化器症状を主体として10例 (9.5%) に, 又, 臨床検査1直異常は肝機能値の上昇が12例 (11.4%) にみられたが, いずれも軽度で一過性のものであった。
    以上により, IPM/CSは造血器疾患に併用した重症感染症に非常に優れた臨床効果を発揮する薬剤と考えられた。
  • 西園寺 克, 三宅 紀子, 三宅 一徳, 猪狩 淳, 小林 寅哲, 佐藤 弓枝
    1992 年 45 巻 2 号 p. 136-142
    発行日: 1992/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefthaxone (CTRX) は蛋白結合率が高く, 半減期が長く, 血中濃度が長時間維持される薬剤である。
    CTRXの蛋白結合率及び遊離型血中濃度の経時変化を, Cefotetan (CTT) とCefpiramide (CPM) を対照薬剤としてCossover法で検討した。
    成年男子5名を対象として, 抗生物質1gを30分の点滴静注を行い, 点滴静注前, 0, 1, 2, 4, 8, 24時間後に採血を行った。
    血清分離後, 血清の一部をMPS-3 (アミコン社) を用いて遠心し, 濾過液を遊離型濃度用検体とした。Bioassayと高速液体クロマトグラフィー (HPLC) 法で総血中薬剤濃度と遊離型血中薬剤濃度を測定した。
    総血中薬剤濃度の平均値は0時間を除くとCTRX>CPM>CTTの順である。0時間値は, 3剤共に200μg/ml以下であつた。24時間値はCTRXとCPMは測定できたが, CTTは検出できなかった。
    遊離型血中薬剤濃度の平均値は各採血時間においてCTRX>CTT>CPMの順である。CPMでは4時間後にCTTでは8時間後に1μg/ml以下となつた。24時間ではCTRXだけ測定可能であった。総血中薬剤濃度についてTwo-compartrnent modelで薬動力学的パラメータを計算した。HPLC法データに基づく血中半減期に平均値は, CTRX (7.5時間)>CPM(5.4時間)>CTT (4.7時間) の順であつた。蛋白結合率の平均値は, CPM (約98%)>CTT (約94%)>CTRX (約92%) の順であった。
    CTRXは90%以上の蛋白結合率を持っため, 遊離型薬剤濃度は低値と推定する傾向が見受けられるが, 8時間値でも2μg/ml以上の遊離型薬剤が認あられた。
    蛋白結合率の90%以上の3薬剤のCrossover studyの結果から, CTRXは遊離型薬剤濃度を長時間維持できる薬剤と考えられる。
  • 宍戸 春美, 永井 英明, 倉島 篤行, 佐藤 紘二, 川上 健司
    1992 年 45 巻 2 号 p. 143-154
    発行日: 1992/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Panipenem/Betamipron (PAPM/BP)は, 新規合成のCarbapenem系抗生物質PAPMとアミノ酸誘導体BPとの1:1配合剤で注射用製剤である。
    臨床分離呼吸器病原菌に対するin vitro抗菌力を測定した。Haemophilus influenzae, Haemophilus parainfluenzae, Branhamella catarrhalis, Methcillin-resistant Staphylococcus aureus を含むS. aureus, klebsiella pneumoniae, Serratia marcescens及びEscherichia coliではImipenem (IPM)より優れたin vitro抗菌力を示し, Streptococcus pneumoniae及びEnterococcusspp. ではIPMとほぼ同等の抗菌力であった。Pseudomonas aeruginosaではIPMの1/4程度のin vitro抗菌力であった。PAPM/BPの臨床的有用性は, 乳酸塩を配合した溶液で本剤を溶解し点滴静注投与にて行い, 呼吸器感染症12症例を対象に検討した。サイトメガロウイルス肺炎を除く呼吸器感染症11症例における臨床効果は, 著二効4例, 有効6例, やや有効1例, 有効以上の有効率が90.9%という高い有効性が認められた。細菌学的効果では, 菌交代を含めた起炎菌の消失は4株中2株に認められ, P. aeruginosaの2株が不変であつた。交代菌として本剤投与中・後に出現した6株はいずれも菌交代現象にとどまった。12例中, 副作用はなく, 1例に過性のS-GOTとS-GPTの軽度上昇が認められただけであった。
    PAPM/BPは呼吸器感染症に対する注射用抗菌薬として, 有用性が高く, 且つ第1選択剤となり得る薬剤の4つであると結論される。
  • 倉田 和夫
    1992 年 45 巻 2 号 p. 155-159
    発行日: 1992/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    整形外科領域の患者を対象に新しいCarbapenem系抗生物質Panipenem/Betamipron (PAPM/BP) 投与後の血中及び各種組織内濃度を検討した。
    腰痛を主訴とし, 手術を要する患者17例を対象とし, PAPM/BP (500mg/500mg)を30分間で点滴静注し, 8例について15~70分後の血中及び髄液中濃度を, 他の9例について25~127分後の血液及び骨, 関節包を採取して, PAPM濃度とBP濃度を測定した。
    髄液中PAPM濃度については, 血中濃度に比べかなり低かった。投与後15~70分の血中濃度は23.74~1.11μg/mlであったが, 髄液中濃度は0.31~0.05μg/mlにすぎなかった。
    又, 点滴静注終了25~127分後のPAPM濃度は血中濃度27.85~2.97μg/mlに対し, 骨組織内では2.54~0.20μg/g, 関節包内には5.63μg/gと1.67μg/gであった。
    血中及び各種組織内のBP濃度はPAPMに比べて低かった。
    以上の結果は, PAPM 500mgの30分間点滴静注後約20分から120分の間髄液を除く他の組織では0.2μg/g以上であり, PAPMが良好な組織移行をすることが示唆された。
  • 小田切 繁樹, 松村 正典, 鈴木 周雄, 室橋 光宇, 高橋 健一, 芦苅 靖彦, 吉岡 照晃, 松本 文夫, 今井 健郎, 竹口 甲三, ...
    1992 年 45 巻 2 号 p. 160-171
    発行日: 1992/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しいカルバペネム系抗生物質Panipenem/Betamipron (CS-976, PAPM/BP) を慢性気道感染症例に対し1回500mgあるいは750mg, 1日2回静脈内投与を行い, その臨床効果, 細菌学的効果及び安全性等について検討した。効果検討症例は29例であり, 肺炎等の対象外疾患や疾患病態が重篤で判定に適さないと判断された症例, 更に副作用中止による投与回数不足の症例等6例については安全性だけの判定を行った。投与期間は1g・分2が6~18日間で, 1.5g・分2が4~15日間であった。
    疾患別臨床効果は慢性気管支炎12例では有効11例, やや有効1で有効率91.7%, 気管支拡張症12例では有効10例, やや有効1例, 無効1例で有効率83.3%, び漫性汎細気管支炎3例ではやや有効2例, 無効1例, 肺気腫+感染2例は共に有効であった。用量別では1g・分2投与群が17例, 1.5g・分2投与群が10例, 投与量を途中で変更した症例が2例であり, 用量別有効率は1g・分2が76.5%, 1.5g・分2が90.0%であった。29症例全体では, 有効23例, やや有効4例, 無効2例で有効率79.3%であった。原因菌は19例から11菌種24株を分離・同定した。その内訳は, グラム陽性球菌ではStaphylococcus aureus, Streptococcus pneumoniae各2株, Stgphylococcus epidermidis, Streptococcus sanguis Streptococcus viridans, Streptococcus spp. 各1株, グラム陰性桿菌ではPseudomonas aeruginosa 9株, Haemophilus influenzae 4株, Klebsiella pneumoniae, Pseudomonas spp., Enterobacter cloacae各1株であった。これら24株に対する本剤の細菌学的効果は消失8株, 減少2株, 菌交代8株, 不変3株, 不明3株で, 消失率76.2% (16株/21株) であった。このうち, 不変3株と減少2株はいずれもP. aeruginosaであった。副作用は1g・分2投与群の2例にみられた。その内容は皮疹と動悸・不眠・癌痒感が各1例で, 程度はいずれも軽度で投与終了・投与中止後速やかに消失した。臨床検査値異常は8例に認められ, その内訳はLDH上昇2例, 好酸球増多, 好塩基球増加, GOT, ビリルビン, BUN, NAGの上昇各1例で, 程度はいずれも軽度・過性で, 臨床上特に問題になるものではなかった。
  • 岸田 卓也, 三宮 祐一, 中尾 吉孝, 安井 良則, 太田 健介, 大平 秀公, 井上 健, 古川 佳央, 山根 孝久, 朴 勤植, 任 ...
    1992 年 45 巻 2 号 p. 172-180
    発行日: 1992/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    各種血液疾患及び胃癌に対する化学療法時に合併した重症感染症40例に新しく開発されたカルバペネム系抗生物質Panipenem/Betamipron (PAPM/BP) を投与し, その臨床効果及び安全性について検討を行った。評価可能対象の基礎疾患40例は, 急性骨髄性白血病12例, 骨髄異形成症候群5例, 悪性リンパ腫5例, 再生不良性貧血3例, 多発性骨髄腫, 特発性形質細胞性リンパ節症及び成人T細胞白血病が各2例, 急性リンパ性白血病, 悪性細綱症, ポジキン病, 慢性骨髄性白血病, 赤白血病, 自己免疫性溶血性貧血, 発作性夜間血色素尿症, 形質細胞性白血病, 胃癌が各1例であった。感染症の内訳は敗血症5例, 敗血症疑が34例, 急性気管支炎1例であった。臨床効果は著効17例 (42.5%), 有効4例 (10%), やや有効7例 (17.5%), 無効12例 (30%) で有効率は52.5%であった。先行抗生物質投与の有無については有効率に差は認められなかった。又, PAPM/BPによると考えられる副作用及び臨床検査値異常は認められなかった。
    PAPM/BP血液疾患に合併する重症感染症に対して有効且つ安全に使用できると考えられた。
  • 古田 哲憲, 鳴海 栄治, 村住 昌彦, 加茂 理英, 大浦 武彦, 坂村 律生, 飯田 和典, 本田 耕一, 山本 有平, 木村 中, 厳 ...
    1992 年 45 巻 2 号 p. 181-187
    発行日: 1992/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しいカルバペネム系抗生物質Panipenem/Betamipronの熱傷感染症に対する有効性及び安全性を検討し, 以下の成績を得た。
    1. 熱傷感染症患者11例に本剤0.5g/0.5gを1日2回点滴静脈内投与した。臨床効果判定が可能であった10例の効果判定は「著効」2例, 「有効」2例, 「やや有効」6例で有効率40%であった。
    2. 2例について熱傷組織への移行について検討した。Panipenemの組織内濃度は点滴静注終了直後で0.20μg/g, 60分後で6.86μg/gであった。
    3. 安全性では, 臨床検査値の異常変動として, GOT, GPT, Al-Pの軽度上昇が1例に, GPT, NAG, β2MGの軽度上昇が1例に, GOT, GPT, Al-P, LAPの軽度L昇が1例にそれぞれ認められた。
  • 露木 建, 有沢 淑人, 横山 勲, 松本 賢二, 荻原 裕之, 深川 裕明, 富田 千明, 若松 慶太, 納賀 克彦
    1992 年 45 巻 2 号 p. 188-196
    発行日: 1992/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しいカルバペネム系抗生物質Panipenem/Betamipronの外科領域感染症に対する有効性及び安全性を検討すると共に, 乳酸塩含有輸液と配合した場合の安全性についても検討し以下の成績を得た。
    外科領域感染症患者31例に本剤0.5g/05g又は1.0g/1.0gを1日2~3回点滴静脈内投与した。そのうち21例 (A群) には溶解液として生理食塩水を用い, 他の10例 (B群) には溶解液として乳酸塩含有輸液ソリタT3号®を用いた。
    臨床効果は31例中, 「著効」20例, 「有効」7例, 「やや有効」3例, 「無効」1例で, 有効率は87.1%であった。又, 細菌学的効果は菌が分離された26例中, 「消失」22例, 「減少」2例, 「不変」1例, 「不明」1例で, 菌消失率は88.0%であった。
    副作用は1例に発疹, 臨床検査値の異常変動として, GOT, GPTの軽度上昇が2例にみられたが, いずれもA群の症例であり, 乳酸塩含有輸液を溶解液としたB群では全く認められなかった。
  • 荒田 次郎, 秋山 尚範, 神崎 寛子, 高橋 久, 田中 由比, 高浜 英人, 藤村 真美, 櫛渕 さやか, 石橋 康正, 尹 浩信, 安 ...
    1992 年 45 巻 2 号 p. 197-207
    発行日: 1992/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    PanipenemとBetamipronの1:1の合剤 (PAPM/BP) につき, 表記の多施設において皮膚科学的に検討した。
    53例の皮膚感染症患者にPAPM/BPを試用した。臨床効果の評価は50例が対象となった。ほとんどの患者で本剤500mg (PAPMの力価) を1日2回点滴静注した。有効率は78%であつた。このうち二次感染症15例を除いて集計すると有効率は85.7%となった。悪心・嘔吐3例, 頭痛・頭重感2例, 発赤と掻痒1例, 下痢1例がみられた。発赤と掻痒のみられた症例は同時に悪心・嘔吐を訴えた。この症状は最初の点滴静注開始1時間後に始まつた。治療中止により翌日には症状はすべて消失した。検査値異常は53例中7例にみられた。肝硬変と肝癌を基礎疾患に持つ1例の患者で貧血が認められた (RBC 372×104/mm3→275×104/mm3, Hb 11.9g/dl→8.8g/dl, Ht 35.1%→260%) 以外ではすべて軽度の異常であつた。
    PAPM/BP 500mg 30分点滴静注後の皮膚内移行を, 皮膚外科手術時に採取された手術組織の一部及び血液につき検討した。皮膚内濃度/血清中濃度比は0.20~0.97の値を示した。PAPMの皮膚内濃度は点滴静注終了後6時間にわたり臨床分離株のMIC80以上の濃度を示した。
    ラットではPAPMの体内代謝が異なるためか, 皮膚内濃度は血清中濃度に比べ極めて低かつた。
    臨床分離のStaphylococcus aureus株の少数例がPAPM, Imipenem (IPM) に対し耐性であつた。しかし, 同時に検討した他剤に比べ, PAPM, IPMは良好な抗菌活性を示した。
    以上を総括して, PAPM/BPは皮膚科領域の感染症治療に有用な薬剤と思われた。
  • 藤井 良知, 阿部 敏明, 田島 剛, 寺島 周, 目黒 英典, 森 淳夫, 中澤 進, 佐藤 肇, 新納 憲司, 砂川 慶介, 岩田 敏, ...
    1992 年 45 巻 2 号 p. 208-227
    発行日: 1992/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたPanipenem/Betamipron (CS-976, PAPM/BP) の小児科領域各種感染症に対する基礎的・臨床的検討を目的として研究会を組織し, 参加17施設とその関連施設による協同研究を行い, 以下の成績を得た。
    1. 血中濃度, 尿中排泄
    PAPM/BPの小児での体内動態を10mg/10mg/kg, 20mg/20mg/kg及び30mg/30mg/kgの点滴静注にて検討した。PAPM/BPの最高血中濃度は共に点滴静注終了時にみられ, 10mg/10mg投与で26.72±8.78μg/ml/18.33±8.54μg/ml (平均±S. D.), 20mg/20mg投与で64.80±18.50μg/ml/38.74±16.41μg/ml, 30mg/30mg投与で91.70±29.42μg/ml/50.08±22.41μg/mlを示し, これら投与量間で用量依存性を認めた。血中半減期 (T 1/2) はPAPMが約1時間, BPが約0.5時間であった。尿中回収率は点滴静注開始後6時間までにPAPMが約30%, BPが約70%であった。
    2. 臨床成績
    総症例391例から除外・脱落例25例を除いた366例に2疾患合併の8例を加えた374例を臨床効果解析対象例として検討した。
    起炎菌検出例の臨床効果は221例中215例が有効以上となり, 有効率は97.3%であった。起炎菌非検出例153例中145例が有効以上で有効率は94.8%となり, 起炎菌検出例と同等の高い有効率であった。
    1日投与量は30~<60mg/kg (PAPMとして) 1日3回投与で全体の52.7%となり, その有効率は97.0%であつた。細菌学的効果はグラム陽性菌が90株中87株 (96.7%) 消失し, グラム陰性菌が149株中136株 (91.3%) 消失した。起炎菌全体に対する除菌率は93.4%であった。
    3日以上先行投与された他抗菌剤無効例に対する本剤の有効率は95.9% (71例/74例) で, 細菌学的効果はグラム陽性菌に対し100% (17株/17株), グラム陰性菌に対し86.2% (25株/29株) の除菌率を示した。
    3. 副作用・臨床検査値異常安全性に対する検討は11例を除いた380例で行つた。副作川は9例 (2.4%) に認められ, 発疹3例 (0.8%), 蕁麻疹1例 (0.3%), 軟便2例 (0.5%), 下痢3例 (0.8%) であった。臨床検査値異常は64例にみられ, 血小板増加, 好酸球増加, トランスアミナーゼヒ昇が主であつた。副作用, 臨床検査値異常には特に重篤なものはなく, 本剤の投与中止又は投与終了により消失もしくは正常に復した。
  • 1992 年 45 巻 2 号 p. 228-230
    発行日: 1992/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 1992 年 45 巻 2 号 p. 231-232
    発行日: 1992/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
feedback
Top