The Japanese Journal of Antibiotics
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Panipenem/Betamipronの外科領域感染症に対する有効性, 安全性及び乳酸塩含有輸液との配合による安全性の検討
露木 建有沢 淑人横山 勲松本 賢二荻原 裕之深川 裕明富田 千明若松 慶太納賀 克彦
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1992 年 45 巻 2 号 p. 188-196

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抄録

新しいカルバペネム系抗生物質Panipenem/Betamipronの外科領域感染症に対する有効性及び安全性を検討すると共に, 乳酸塩含有輸液と配合した場合の安全性についても検討し以下の成績を得た。
外科領域感染症患者31例に本剤0.5g/05g又は1.0g/1.0gを1日2~3回点滴静脈内投与した。そのうち21例 (A群) には溶解液として生理食塩水を用い, 他の10例 (B群) には溶解液として乳酸塩含有輸液ソリタT3号®を用いた。
臨床効果は31例中, 「著効」20例, 「有効」7例, 「やや有効」3例, 「無効」1例で, 有効率は87.1%であった。又, 細菌学的効果は菌が分離された26例中, 「消失」22例, 「減少」2例, 「不変」1例, 「不明」1例で, 菌消失率は88.0%であった。
副作用は1例に発疹, 臨床検査値の異常変動として, GOT, GPTの軽度上昇が2例にみられたが, いずれもA群の症例であり, 乳酸塩含有輸液を溶解液としたB群では全く認められなかった。

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© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
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