The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
Print ISSN : 0368-2781
ISSN-L : 0368-2781
造血器疾患に合併した重症感染症に対する Cefclidin の臨床効果と安全性の検討
阪神造血器疾患感染症研究グループ
巽 典之任 太性古川 佳央三宮 祐一井上 健陰山 克大藪 博赤坂 清司那須 芳米沢 毅烏野 隆博武 弘典杉山 治夫木谷 照夫田川 進一正岡 徹平岡 諦手島 博文安永 幸二郎藤竹 英樹吉岡 宗堀内 篤長谷川 廣文中山 志郎矢部 博樹川越 裕也平田 充彦永井 清保垣下 栄三武元 良整井上 信正
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 45 巻 5 号 p. 512-522

詳細
抄録

造血器疾患に合併した重症感染症138例を対象とし, セファロスポリン系抗生物質Cefclidin (CFCL, El040) による臨床試験を試み, 有効性と安全性の検討を行った。
1.有効性の評価は126例で検討し,55.6%の有効率を認めた。
2.感染症の内訳で最も多かった敗血症疑い症例の有効率は61.2%と高い有効率を示した。
3.投与後好中球数100/mm3以下の群の有効率は33.3% (11例/33例), 501/mm3以上の群の有効率は65.3% (49例/75例) と両者の間に有意差が認められた (P<0.01)。投与前, 後共に100/mm3以下の著明な好中球低下を呈した症例では35.0% (7例/20例) の有効率であった。
4.安全性の評価は138例で検討し, 副作用5例 (3.6%), 臨床検査値異常9例 (6.5%) に認められたが, いずれも重篤なものではなかった。

著者関連情報
© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
前の記事 次の記事
feedback
Top