The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
Print ISSN : 0368-2781
ISSN-L : 0368-2781
Tosunoxacinの家兎における骨・関節組織への移行性とin vitro抗菌力
山城 芳子布目 雅子高畑 正裕保田 隆
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 46 巻 1 号 p. 31-35

詳細
抄録

Tosufloxacin (TFLX) の家兎における骨・関節組織への移行性とin vitroでの抗菌力を, 整形外科領域の感染症に適応を有しているLomenoxacin (LFLX) と比較検討した。
TFLXをlOOmg/kg経口投与した時の1, 2, 4時間及び6時間後の血1清中濃度は, 各々0. 41, 0-65, 0. 62, 0. 42μg/mlであった。滑液及び大腿骨骨皮質を除く組織では血清よりも高い濃度が得られ, 胸骨骨髄では0. 69-1. 92μg/g, 大腿骨骨髄では0. 55-153μg/gが検出された。又, 滑液では4時間値及び6時間値が血清とほぼ同じ値を示した。これらの値はLFLXの1/8以下であったが, 血清比はLFLXとほぼ同じであった。
一方, 化膿性骨髄炎や関節炎の起因菌として分離頻度の高い Staphylococcus aureus, Streptococcus pyogenes, Haemophilus influenzaeに対する抗菌力はTFLXの方が8-64倍優れており, TFLXは0. 39μg/ml以下でメチシリン耐性S aureusを含むすべての菌の発育を抑制していた。以上の結果から, TFLXは整形外科領域の感染症の治療において有用性のある薬剤と考えられた。

著者関連情報
© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
前の記事 次の記事
feedback
Top