1993 年 46 巻 1 号 p. 53-59
呼吸器感染症における軽症や中等症の細菌感染症患者に対してCefpodoxime proxetil (CPDXPR) を使用し, その臨床効果を検討した。1.総投与症例は61例で, その中で臨床評価症例は53例, 安全性評価症例は55例が対象となった。評価対象症例の1回投与量は100~200mg, 1日投与回数は2回, 投与日数は5~21日であった。2.臨床効果は著効9例, 有効36例, やや有効4例, 無効2例, 悪化2例で有効率84.9%であった。特に急性呼吸器感染症と軽症の慢性気道感染症に対して, CPDX-PRはそれぞれ有効率88.6% (31例/35例) と100% (8例/8例) と満足すべき効果が得られた。3.副作用は認めず, 臨床検査値異常はBUNの上昇が1例に認めたが, 軽度で一過性であった。以上の結果から, ¢PDX-PRは呼吸器感染症に対して有用で安全な薬剤であると考えられた。