1993 年 46 巻 1 号 p. 60-66
慢性気道感染患者40例について, 封筒法による無作為割付により, Onoxacin(OFLX)300mg1日1回投与法と600mg1日3回分割法の有用性を比較検討した。
OFLX1日300mg投与群は20例で, 600mg投与群は18例であり, 患者背景で300mg群に基礎疾患のある例が多くなつていた。臨床症状の全般改善度は300mg投与群が80.0%, 600mg投与群88.9%であつた。細菌学的効果としての菌消失率は300mg投与群で80.0%, 600mg投与群84.6%であつた。副作用発現率は300mg投与群0%, 600mg投与群で5.6%(1例)に出現したが, 軽度であった。臨床検査値異常は300mg投与群で15.0%, 600mg投与群で11.2%に出現するも, いずれも軽度で一過性であつた。概括安全度は300mg投与群で95.0%, 600mg群で94.4%とほぼ同等であつた。総合的有用性は300mg投与群で80.0%, 600mg投与群で88.9%であった。これらの成績はすべて有意差は認めず, 両群投与法とも高い有用性を示した。
以上の成績から, 慢性気道感染症に対するOFLX300mg1日1回投与法は有用性が高く, 優れた投与法であると言える。