The Japanese Journal of Antibiotics
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新経ロセフェムS-1108の小児科領域における検討
新納 憲司佐藤 肇
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1993 年 46 巻 11 号 p. 978-990

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抄録

小児用経口抗生剤S-1108を小児に使用して次の結果が得られた。
1. 小児の上・下気道炎, 百日咳, 猩紅熱, 伝染性膿痂疹, 尿路感染症等の32症例にS-1108を, 1日6~12mg/kg3分割投与を5~12日間行った。
2. 臨床効果は著効17例, 有効13例, 無効2例で, 有効率は93.8%であった。
3. 体内動態は2mg/kg, 4mg/kgそれぞれ2例ずつで検討した。2mg/kg投与後の最高血中濃度は2時間値にあり, それぞれ1.07, 0.69μg/mlで, T 1/2は1.16, 1.74時間であった。4mg/kg投与後は1例では2時間値でもう1例は3時間値にあり, 1.69, 2.31μg/mlであった。T1/2は1.05, 0.87時間であった。
尿中回収率は, 2mg/kg投与の2例では投与後6時間で24.4, 355%, 4mg/kgのそれは341, 35.4%であった。
4. 細菌学的効果は臨床分離株12菌種33株において検討し, 菌消失は31株, 不変2株で菌の消失率は93.9%であった。
5. 副作用は見られなかったが, 臨床検査値異常は2例認められた。
6. 服用性の難易性については2例に服薬拒否がみられたのみであった。

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