1994 年 47 巻 9 号 p. 1202-1209
小児科領域における各種急性感染症に対して, 新しく開発された経口用Cephem系抗生物質Cefpodoxime proxetil(CPDX-PR)dry syrupを使用し, その臨床効果について検討した。
鳥取大学医学部附属病院および関連病院の21施設において, 患児535例に対し, CPDX-PR dry syrup 10mg/kg/日を目標に, 分3にて投与した。
本剤の有効率は, 80.8%であり, 分離菌中Staphylococcus aureusとStreptococcus sp.に対する抗菌活性は良好であったが, Haemophilus influenzaeに対する抗菌活性はやや劣っていた。
副作用は, 全例中2.80%にみられ, 臨床検査値の異常は, 1.87%にみられた。
本剤の副作用は少なく, 安全性も高く, 急性扁桃炎, 急性咽頭炎および急性気管支炎などの小児感染症に対して有用性の高い薬剤であると考える。