The Japanese Journal of Antibiotics
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Sparfloxacinの血液透析患者における体内動態
青木 信樹甲田 豊吉川 博子薄田 芳丸
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1995 年 48 巻 8 号 p. 999-1002

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抄録

ニューキノロン剤であるSparfioxacinの透析導入慢性腎不全患者における体内動態を検討した。明らかな肝障害のない透析導入患者5例の非透析日に本剤200mgを朝食後60分に経口投与し, 血中濃度推移をHPLC法にて測定した。血中濃度のピーク値は一様でなく, 2~12時間後に得られ, 0.71~2.37μg/mlの濃度を示した。血中濃度半減期は19.1~34.5時間で, 平均で25.7時間であった。血液透析に導入されるに至っていない高度の腎機能障害患者に比較して, 明らかな延長を認めた。この成績から, 血液透析導入腎不全患者においては, 常用量の投与であれば2日に1回あるいは週3回の透析例の場合は透析終了時に内服するのみで, 充分な血中濃度の維持が可能であると考えられた。

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