2023 年 25 巻 1 号 p. 14-22
外来種のアライグマは,2004年に津軽地方で初めて発見されて以来野生化が進み,分布が拡大している.津軽地方の14の市町村に調査したところ,11市町村112箇所での生息が確認され,津軽地方に広く分布しており,特に多いのは岩木山麓であることがわかった.また,農作物ではスイカ,トウモロコシ,ブドウの被害が多かった.各市町村では防除計画を立ててアライグマを捕獲しており,年間150~180頭を捕獲している.中でも多いのは弘前市で,捕獲数の半数近くを占めていた.捕獲は農作物の収穫期に実施されているのが多かったが,アライグマの根絶のためには,出産期の春に広域的に一斉に捕獲する必要があると考えられた.