抄録
島根県において13種の広葉樹上で採集したPestalotiopsis属菌はその形態からつぎの8種に分けられた。P. acaciae(アオキ上), P. adusta(マテバシイ,シャリンバイ,ビワ,シャクナゲおよびギンモクセイ上),P. dissemineta (トウカエデ上), P. distincta (スダジイ上),P. glandicola(アカガシ上),P. guepini(ツバキとサザンカ上),P. malicola (ユスラウメ上), Pestalotiopsis sp.(アラカシ上)。これらの宿主はP. guepiniの場合を除いて各種の新宿主である。本属菌の寄生を受けた葉には灰褐色〜灰白色の病斑が生じ,菌と樹種によっては輪紋を描く。健全部との境界には暗褐色帯が生じる場合がある。病斑の葉表または表裏両面に分生子堆が黒色点として生じ,表皮を破って露出する。病斑は葉縁や昆虫の食痕から生じており,発病には傷が必要と推察した。