スギ伐り捨て間伐試験において,玉切り処理と全木処理によるキバチ類の発生量について比較検討を行った。2006 年3 月と4 月に伐倒処理を行い,伐倒時に全木処理と2 m の玉切り処理に区分して,2006 年12 月まで林内に放置しキバチ類に産卵させた。その後元口から6 m の間伐木を網室に持ち込み,キバチ類成虫の羽化脱出数および産卵孔数を調査した。合わせて伐倒直後および網室回収時の辺材の含水率も調査した。その結果,3 種のキバチ類が羽化脱出した。処理間の比較では全木処理より玉切り処理からのニホンキバチの羽化脱出成虫が少ない傾向にあった。また,玉切り処理では全木処理より回収時の辺材部の含水率が有意に高かった。また,含水率の高い4 月伐倒木では3 月伐倒木に比べて産卵孔数が有意に少なかった。