あるべき林業技術研究は、科学的根拠をしっかりと押さえ、社会的正当性に沿うものでなければならない。それは森林の多面的機能(サービス)を持続的に発揮させていくために必要な技術を研究していくということである。森林生態系の基礎研究として、森林は時間とともにその構造が一般的にどのように変化していくかの法則性を求めていくこと、森林(林分)の発達段階に応じて森林生態系の機能が一般的にどのように変化していくかの法則性を求めていくことが不可欠である。それによって第一に求める機能ごとの目標林型をどの段階に置くかの根拠が得られ、目標林型に向けた管理・施業体系が描ける。管理・施業体系(全体技術)と個別技術(個々の間伐など)を常に関係させて技術の合理性の評価をしていくことが大事である。林学(森林科学)の中で基礎研究は進化しているが、応用技術研究は停滞している。その理由を探り、その改善のために何が必要かを検討した。その中でも特に大事なのは、欧米におけるフォレスターのような高いレベルの技術指導者の育成である。それがないと林業技術研究の出口が乏しく、研究のモチベーションは上がりにくい。