抄録
滋賀県の民有林における森林機能の把握と地域に応じた評価手法を確立することを目的とし,GISを用いて木材生産と水源かん養機能について機能評価を行った。その結果,滋賀県の民有林で木材生産機能の高い森林は,スギで37.9%,ヒノキで73.6%,水源かん養機能の高い森林は,65.5%であった。また,この評価結果は,土壌と地質条件に依存していた。森林の機能評価にGISを用いることは,複雑な地理的情報を処理するという点において非常に適しているが,図面データの精度や数量化を行う際に生じる問題点を抱えているため,検証を重ね,GISを用いた機能評価手法の信頼性を高めていく必要がある。