アプライド・セラピューティクス
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エナジードリンク飲用に対する消費者の意識と薬剤師の関わり
櫻井 浩子 海野 碧希
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2024 年 19 巻 p. 64-75

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抄録
近年、カフェインを含有するエナジードリンクが消費者にとって身近な飲料となっている一方で、低年齢におけるカフェイン中毒の症例も報告されている。エナジードリンクは医薬品でないことから、利用にあたり消費者のセルフケアが重要となる。本研究では、エナジードリンク飲用の習慣性、エナジードリンクの適正な摂取への薬剤師の関わりについて調査を行い、健康サポートの観点から国民の健康に寄与する薬剤師の役割について考察した。インターネット調査会社に登録している日本人男女483人を対象にwebアンケートを行った。エナジードリンクをよく飲む時期に経験したことに関して、「エナジードリンクを飲まないとやる気がでない」が26.5% (128/483)と最も高かった。カフェインを容易に摂取できるカフェイン錠剤やドロップの服用経験は、「ある(今も時々服用している)」が8.5% (41/483)、「ある(今も日常的に服用している)」6.8% (33/483)「ある(今は服用していない)」5.2% (25/483)であった。エナジードリンクの適正な摂取への薬剤師の関わりとして「適正な飲用量の指導」「正しい知識」「薬剤師による啓発活動」が求められていた。薬剤師はカフェインを含む医薬品処方薬の服薬指導時には日常のカフェイン摂取の状況も聞き取りし、カフェインの過剰摂取を防止する。また、薬局・ドラッグストアは地域の健康イベントでの講座開催やニュースレターで特集を組むなど、カフェイン摂取に関する適正な飲用量や正しい知識の啓発に今後力を入れていく必要があると考える。
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© 2024 日本アプライド・セラピューティクス(実践薬物治療)学会
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