失語症研究
Online ISSN : 1880-6716
Print ISSN : 0285-9513
原著
強迫的使用・パントマイム現象
—検査場面および日常場面での検討—
望月 聡河村 満河内 十郎尾花 正義
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19 巻 (1999) 1 号 p. 2-8

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抄録

   左帯状回前部および脳梁幹梗塞性病変により,強迫的使用現象および強迫的パントマイム現象を呈した55歳女性を報告した。検査場面では右手に,触覚刺激により強迫的使用が,聴覚的物品名提示で強迫的パントマイムが誘発された。視覚提示のみでは誘発されなかった。日常場面における行為障害を,内観が記載された日記から検討した。意志に反して行為を行ってしまう従来の「道具の強迫的使用」現象に加え,ある行為を行おうとする「意図」が意志に反して生ずることによる強迫的使用現象,「考えるとすぐ行為が生ずる」行為促通化現象の3種類の行為制御障害が存在した。
   前頭前野により行為遂行を決定する意志が形成され,部分的に残された補足運動野によって特定の行為の意図が生じ,意志と意図の両者が行為の選択を行うと推定した。この「意志-意図の二重制御」システムを想定することにより,強迫的使用・パントマイム現象を説明できる可能性を示した。

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© 1999 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会 (旧 日本失語症学会)
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