水産増殖
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原著論文
Megalocytivirus を感染させた培養 Grunt Fin 細胞の電子顕微鏡像
Ketut Mahardika宮崎 照雄
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2009 年 57 巻 1 号 p. 9-18

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抄録

イリドウイルス科の Megalocytivirus の 1 分離株であるマダイイリドウイルスを感染させた grunt fin 細胞について電子顕微鏡観察を行い,感染細胞の微細構造および Megalocytivirus の形態を解明した。その結果,感染細胞は,封入体形成細胞と大型感染細胞の2型を示すことがわかった。前者は,細胞質内に⌈ウイルス増殖の場⌋を形成した大型の封入体を内蔵しており,宿主細胞の核と細胞質は封入体の周囲に圧迫されて存在した。後者は,細胞質内に大きな⌈ウイルス増殖の場⌋を形成し,その宿主細胞の核は崩壊から消失に至っていた。両者の⌈ウイルス増殖の場⌋には,全形成過程のウイルス粒子が観察された。これら 2 型の大型細胞のうち封入体形成細胞は,Megalocytivirus に感染したマダイ病魚においても観察され,本ウイルス感染細胞の主病徴と判断された。

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© 2009 日本水産増殖学会
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