水産増殖
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原著論文
WSDV 人工感染クルマエビの組織におけるウイルス量の解析
足利 佳奈子河野 智哉園田 航平北尾 陽一チャクラボルティー グニマラ伊丹 利明酒井 正博
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2009 年 57 巻 1 号 p. 91-97

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抄録

WSDV は,ニマウイルス科ウィスポウイルス属に属し,海洋甲殻動物に対し非常に強い致死率を示すウイルスである。海洋甲殻動物の中でも,エビ類は特に WSDV に対する感受性が高い。本研究では,定量 PCR 法を用い,浸漬感染後のエビ組織における WSDV を定量した。感染後,WSDV は血リンパ,リンパ様器官,心臓,胃および鰓において検出された。ウイルス濃度を 2 系列設け感染試験を行った結果,濃度による組織分布に違いは見られなかったが,感染後14日目において高濃度感染区のウイルス量は低濃度感染区と比べ顕著に増加することが確認された。また,その増加はリンパ様器官,心臓,胃,鰓において10日目以降で確認された。一方,血リンパにおけるウイルス量の増加は感染後4日目の早い段階で確認された。

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© 2009 日本水産増殖学会
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