水産増殖
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原著論文
カマツカの産卵・初期生態に関する一知見
中島 淳
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2015 年 63 巻 1 号 p. 65-70

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抄録

コイ科魚類カマツカの野外における産卵・初期生態の一端を解明するため,福岡県那珂川において,目視による成魚の出現数と流下ネットによる卵・仔魚流下数の24時間調査を3回行った。本種成魚は夜間にのみ合計64個体が観察され,メス成魚は20~1時に,オス成魚は20~5時に出現した。流下卵は合計11293粒を採集し,21~2時にもっとも多かった。一方で仔魚の流下はほとんど確認できなかった。これらのことから,オスは夜間に産卵場付近でメスの出現を待つこと,本種の産卵は日没後の20時から1時頃の間に行われること,産出卵は河川を流下すること,仔魚は流下しないことが明らかとなった。

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© 2015 日本水産増殖学会
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