水産増殖
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バイの養殖に関する研究-II
飼料タンパク質の消化吸収率
梶川 晃
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1981 年 29 巻 1 号 p. 26-29

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抄録

前報の飼育試験に使用した餌料をバイ稚貝に摂取させ, 糞の排泄状態を観察し, 更に摂取餌料および排泄物のN量から, 餌料のみかけのタンパク質消化吸収率を検討した。
1) 餌の体内滞留時間は, 配合飼料I, IIとも9~98時間, エビ14~30時間, ヒレグロ14~53時間であった。配合飼料は排泄物量も多く, 特に配合飼料Iでは, 摂餌後1日に総排泄量の5割強が排泄された。
2) 排泄物のN含有率は, 配合飼料Iが最も高かったが4.75~2.39%と日を追って減少した。次いで配合飼料II, ヒレグロの順で最も低いのがエビの1.39%であった。
3) 各餌料のタンパク質消化吸収率は, 配合飼料Iが60.7%, 配合飼料II79.2%, エビ99.8%, ヒレグロが99.4%で, 予期したとおり, 配合飼料の上記吸収率が低かったため成長が劣ったものと考えた。

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