2000 年 48 巻 3 号 p. 523-530
マダイ稚魚飼料における代替タンパク質源併用による魚粉の削減について検討した。
魚粉を50%含む基本飼料とともに,大豆油粕(SBM)単用配合,SBMに対しコーングルテンミール(CGM)あるいはチキンミール(PBM)併用,およびこれら3種代替タンパク質を併用し,魚粉配合率を35~0%に低減した12種類の飼料により,マダイ稚魚を60日間飼育した。
代替タンパク質の高配合に伴う嗜好性の低下はみられなかった。24%SBMと13%PBM併用区の成長は最も優れ,24~39%SBM単用区とともに,24%SBMと10%CGM併用区および24%SBM,10%CGMおよび13%PBM併用区の成長は,基本飼料区のそれとほぼ同等で,その飼料効率は基本飼料区のそれと同等かやや劣る程度であった。しかし,SBMに対するCGMあるいはPBMの配合率をそれ以上増加させると成長は有意に低下した。
以上の結果から,マダイ稚魚飼料において,24%SBMと10%CGMあるいは13%PBMの併用により魚粉の50%を代替でき,さらにこれら3種代替タンパク質源の併用により,魚粉の70%を代替できることが分かった。