水産増殖
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コイの飼育過程における成長,藻類増殖能,糞留率,水質等に及ぼすプロバイオテック添加給餌の影響
新納 正也平田 八郎
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2000 年 48 巻 3 号 p. 531-536

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抄録

コイの飼育における成長,AGP, FRRおよび水質に及ぼすUM菌剤およびCY菌剤の添加給餌の影響を調べた。生菌剤の添加給餌率は,給餌量の0%添加区(対照区),2%添加区および5%添加区とした。
その結果,添加給餌区における供試魚の成長は,UM菌剤で1.7~1.8倍であり,CY菌剤では1.3倍であった。また,添加給餌区における飼育水のAGP値は対照区よりも20%程度高くなった。その高いAGP値はpO2を増加させ,DIN, DIP,およびpCO2の減少を招き,飼育環境の保全効果が観察された。
UM菌剤添加給餌における6日目のFRR値は,対照区の約82%に対して添加区では75%および77%であり,添加区の方が対照区より糞等の残留率は低下した。CY菌剤添加給餌のFRR値は約80%であった。両菌剤とも添加区の方が対照区よりも低いFRR値を示したので,生菌剤添加給餌によって糞等がより速く減少することが分かった。
以上の結果から,UM菌剤あるいはCY菌剤の添加給餌は,養魚の健康と環境保全の双方に寄与することが示唆された。

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© 日本水産増殖学会
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