2000 年 48 巻 3 号 p. 537-543
タンパク質含量(CP)を55および45%とし,脂肪含量をそれぞれ3段階に変化させた6種類の飼料により,初期体重55gのヒラメ若魚を12週間飼育した。終了時体重および増重率には飼料区間で違いはなかった。タンパク質効率は,CP55%では脂肪含量の増加に伴なって上昇する傾向を示し,CP45%でも脂肪含量が最も高い飼料区で他区より高かった。しかしながら,飼料脂肪の増加は,肝臓の肥大ならびに血中トリグリセリド,肝臓や消化管における脂肪含量の増加をもたらした。また,脂肪含量が最も高い飼料区では筋肉中の脂肪の有意な増加が認められた。従って,ヒラメでは,飼料への脂肪添加はあまり効果的ではないと判断される。