水産増殖
Online ISSN : 2185-0194
Print ISSN : 0371-4217
ISSN-L : 0371-4217
マダイ1歳魚飼料における代替タンパク質源併用による魚粉の消減
高木 修作示野 貞夫細川 秀毅宇川 正治
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 48 巻 3 号 p. 545-552

詳細
抄録

マダイ1歳魚飼料における代替タンパク質源併用による魚粉の削減について検討した。
魚粉を50%含む飼料とともに,大豆油粕(SBM)の単用ならびにSBMにコーングルテンミール(CGM)とチキンミール(PBM)を併用添加して魚粉を35~0%に削減した12種類の飼料により,マダイ1歳魚を195日間飼育した。
各区とも活発に摂餌し嗜好性の低下はみられなかったが,無魚粉飼料区では飼育期間の経過とともに摂餌が不活発になった。24~39%SBM配合区(魚粉代替率30~50%)の成長は魚粉飼料区のそれとほぼ同等であったが,飼料効率はSBM配合率の増加に伴ってやや低下した。
24%SBMと10%CGMあるいは13%PBM併用区(魚粉代替率50%)の飼育成績は最も優れ,24%SBMと10%CGMおよび26%PBM併用区(魚粉代替率90%)の飼育成績は,魚粉飼料区のそれとほぼ同等であった。
以上の結果から,マダイ1歳魚飼料において,24%SBMと10%CGMおよび26%PBMを併用することにより魚粉の90%を代替可能であり,代替タンパク質の適量の併用はSBMやCGMの単用配合より魚粉の大幅削減に有効なことが分かった。

著者関連情報
© 日本水産増殖学会
前の記事 次の記事
feedback
Top