水産増殖
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秋田県鶴潟沼に生息するヌカエビの成長に伴う額角歯の増加
今井 正
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2004 年 52 巻 3 号 p. 259-264

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抄録

秋田県鶴潟沼に生息するヌカエビの額角歯相の成長に伴う変化を調べて, その数が完成する大きさを明らかにした。上縁歯は第6ゾエア期で1本を生じ, 下縁では第8ゾエア期で1本を生じた。体長12mmに達すると雌雄の判別が可能になったが, 上縁, 下縁の歯数は共に雌雄で差がなかった。この時, 上下縁にはそれぞれ平均で10.0本と2.3本の歯を有していた。13mmになると下縁歯は2.4本となり, 抱卵個体が有する数と同じになったが, 上縁歯は未完成であった。15mmに達すると, 上縁歯も平均10.5本となり完成した。よって, ヌカエビの額角歯相は体長15mmで完成するから, 歯数を調査する場合, この大きさ以上の個体だけを用いる必要がある。

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© 日本水産増殖学会
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