水産増殖
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ヨーロッパキダイの飼育と形態の変化
Apostolos MIHELAKAKISChristos TSOLKAS吉松 隆夫
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2005 年 53 巻 4 号 p. 367-376

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抄録

飼育条件下におけるヨーロッパキダイDentex dentex仔稚魚の成長, 発育, 形態の変化を, 同一飼育群から連続的に採集した固定標本を用いて検討した。孵化仔魚は2kl容の飼育槽でワムシ, アルテミア孵化幼生, 仔稚魚用配合飼料を用いて, 濾過海水 (塩分34-35) の流水, 18L: 6Dの人工照明条件下で集約的に飼育された。飼育期間中の水温は16.0から21.2℃で推移した。孵化仔魚の平均全長 (TL) は2.80±0.13mmで, 日令4-5に摂餌を開始し, 日令9 (3.72±0.21mmTL, 167°D) で全個体が卵黄吸収を終了した。また油球の吸収は日令11 (206°D) であった。仔魚から稚魚への移行は日令27-34 (524-673°D) , 全長7.42-9.00mmの個体の間で観察され, また初期発育段階における外部形態の変化に対応する成長屈曲点が相対成長に現れた。水温16.0-21.2℃における飼育条件下でのヨーロッパキダイの初期発育段階の成長は, 次式で表すことができた。Y=0.0002X3-0.0065X2+0.1432X+3.0000 (γ=0.967, n=1070, Yは全長mm, Xは日令) 。

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