2006 年 5 巻 p. 83-91
本報告は、国文学研究資料館史料館が2002年に発足させた「アーカイブズ・カレッジ」の実践報告である。同カレッジはそれまでの史料管理学研修会を発展させて、現職者研修よりも大学院教育をめざした、アーキビスト教育大学院課程開設のための一種の実験である。受講生に高レベルの修了論文を書かせるために、カリキュラム外に指導教員が主催するゼミを開催し論文指導を行うなど、極力大学院修士課程に準じた教育を行っている。しかし、前後期あわせて6週間という時間的制約のために、演習・実習が十分にできず、論文指導も時間不足である。これからは、正規の大学院設置が望まれる。