2025 年 64 巻 p. 83-97
本稿では,2023年7月から2024年6月末までの1年間における国内の臨床心理学に関する研究の動向を概観した。「臨床心理学的問題」,「臨床心理学的援助」の2つの観点に大別した上で,それぞれをさらに細かくテーマごとに分類した。特に学校関係および,小・中・高・大学生の何らかの問題について取り扱う研究が多数みられたが,その中で,要配慮者本人ではなく,その周囲の他者に関して検討する研究が複数みられた。障害者支援の文脈で,合理的配慮の提供が重視されている昨今において,何らかの問題を抱えた当事者にとっての「社会的障壁の除去」に役立つよう,当事者本人ではなく,周囲の環境にアプローチするような研究も,今後さらに取り組まれることが望まれる。