園芸学研究
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栽培管理・作型
大阪府羽曳野市における過去48年間の気温変化とブドウ ‘デラウェア’ の発育との関係
上森 真広三輪 由佳磯部 武志細見 彰洋
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2019 年 18 巻 2 号 p. 133-138

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抄録

大阪府羽曳野市において,長期的な気温変化が露地栽培のブドウ‘デラウェア’の発育に及ぼす影響を明らかにするため,1963年から2010年までの48年間に渡る気温と発芽日,満開日との関係を一般化線形モデル(GLM)により解析し,赤池情報量基準(AIC)によるモデル選択によって各関係を評価した.本調査地において気温の上昇傾向が認められた.48年間で発芽日,満開日はともに早期化していた.AICによるモデル選択の結果,発芽日には2月平均気温,3月平均気温,4月平均気温が関与しており,2月平均気温,3月平均気温の上昇により発芽日が早期化していることが示唆された.一方,満開日には4月平均気温,5月平均気温が関与しており,その早期化は,発芽日の早期化と5月平均気温の上昇の影響を受けていることが示唆された.以上より,大阪府羽曳野市のブドウ‘デラウェア’の発芽日は2月,3月の気温上昇,満開日は発芽日の早期化と5月の気温上昇の影響を受けて早期化していると推察された.

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