アレルギー
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ハチアレルギーの血清学的検討 : 第1報 ミツバチと野性バチとの共通アレルゲン性についての検討
三橋 将人夏川 周介我妻 義則
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1982 年 31 巻 10 号 p. 1056-1062

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抄録

IgE-RASTおよびRAST inhibition法にてミツバチと本邦に生息する野生バチとの間の共通アレルゲン性について検討し, 以上の結果を得た.1) beeまたはwaspの一方にしか刺されていないグループ(救急外来受診者, 養蜂家)ではbeeとwaspのIgE-RAST scoreの分布はそれぞれp<0.001, p<0.05で独立していた.一方両方のハチに刺されているグループ(営林署職員)では両者のIgE-RAST scoreの独立性の検定に有意差は認められなかった.2) IgE-RAST inhibitionでもミツバチとスズメバチ, アシナガバチとの間には共通アレルゲン性は認められなかった.またキイロスズメバチは同属のヒメスズメバチよりクロスズメバチにアレルゲン性が類似し, キイロスズメバチとフタモンアシナガバチの間に共通アレルゲン性が存在するなど, ハチ毒による分類と従来の形態的な属の分類との間に差異が認められた.

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© 1982 日本アレルギー学会
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