アレルギー
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原著
東京医科大学病院皮膚科で診断したアナフィラキシー症例の統計
城 理沙伊藤 友章小林 知子三浦 太郎三島 史朗河島 尚志織田 順大久保 ゆかり坪井 良治
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2019 年 68 巻 1 号 p. 43-47

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抄録

【目的】小児期以降のアナフィラキシー疫学的報告は少ない.当科で診断した症例を検討した.

【方法】2011年1月~2017年3月まで,診断後アドレナリン自己注射製剤(エピペン®)処方した132例を対象とした.紹介先,アナフィラキシー時の重症度,診断方法,原因抗原,再発率を調べた.

【結果】医療機関からの紹介は54%で,本人の希望で受診した患者は46%であった.アナフィラキシー重症度は軽症と中等症で75%を占めていた.アナフィラキシー分類として,食物アレルギーが71%を占め,原因抗原として小麦が一番多く,次にアニサキスアレルギーであった.診断後定期的通院患者は37%と低く,診断後にアナフィラキシーを再発した患者は16例であった.

【結語】当科で行ったアナフィラキシー原因抗原精査では,小麦とWDEIAが一番多かった.また本検討では,アニサキスアレルギーが15%と高く,抗原検索で重要項目の一つであると考えた.

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© 2019 日本アレルギー学会
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